婚姻費用

別居中でも、生活費支払い義務がある!

「これ以上あなたとの生活には耐えられない!子どもと一緒に出ていきます!」

「そうか、それじゃ、もう生活費は渡す必要がないな!勝手にお前が出て行くのだから、これからは自分で稼げ!」

このように、別居をした妻と子に対し、夫からの生活費が支払われなくなってしまうことはよくあります。

民法第760条は、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と定めており、たとえ別居していても、離婚が成立しない限り、婚姻費用分担として生活費を支払わなければなりません。

そのため、「妻が勝手に出て行ったのだから、生活費を支払う必要はない。」という夫の主張は通りません。

なお、内縁の夫婦でも、婚姻費用分担義務は生じます。

 

支払い拒否には、調停申立を!

相手方が婚姻費用の支払いを拒否する場合には、婚姻費用分担調停の申し立てをする方法があります。

婚姻費用についても、養育費と同様、簡易算定表があり、この算定表の金額を参考に話し合いが進められるケースが多いようです。

調停が成立しない場合、審判に移行し、適切な婚姻費用の支払いが命じられます。

 

どんな場合でも支払わなければならないの?

もっとも、裁判所には、有責配偶者からの婚姻費用請求について、権利の濫用であるとして減額した例や、請求を認めなかった例もあります。

福岡高等裁判所宮崎支部決定平成17年3月15日は、不貞行為を行った妻が、夫に対し離婚訴訟を提起し、別居中の婚姻費用の支払を求めた事例において、妻からの請求は信義則に反し許されないとしました。


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