平成23年6月10日大阪高等裁判所判決
平成23年6月10日大阪高等裁判所判決
【事案】
賃貸人から貸室の管理を委託されている管理会社の従業員が、賃料を滞納している賃借人の貸室内にあった家具等の動産一切を搬出したうえで玄関鍵を交換し、賃借人を実力で追い出した事案。管理会社および賃貸人の責任の有無と、損害額が主な争点となった。
【結論】
従業員の行った不法行為について、管理会社および賃貸人についても責任があることが認められ、慰謝料80万円を含む合計165万円の損害賠償と遅延損害金の支払が命じられた。
【補足】
たとえ賃料を滞納している賃借人であっても、法律に則った手続を踏まずに自力救済を行うことが不法行為にあたることはこれまでにも複数の裁判例で認められています。
本事案では、実際に荷物の運びだしを行ったり鍵を変えたりした人物(管理会社の従業員)のみならず、その使用者である管理会社、さらには賃貸人にも責任があることが認められました。
また、これまでの同種の事案に比して、慰謝料が高額であった点にも特徴があります。