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土地建物の権利関係を確認するには登記事項証明書を確認するのが、一番ですが、その全てを読み取り、理解できるようになるには、かなりの労力が必要になり、一般の方には敷居が高いものになっています。
そこで、日常生活で比較的、一般的に発生する事象が、どのように登記簿に対応しているかを見て、登記事項証明書の概要を掴んで頂きたいと思います。
今回の事案
市川市市川東一丁目23番地9に住む市川一男さんは自宅の隣に35坪(115.50㎡)の空き地を所有しており、自家用の駐車場、家庭菜園として利用していました。
平成18年春に不動産会社リバーエステート㈱から、この土地を2000万円で売って欲しいと申込があったため、売却することにしましたが、土地の名義が父親の市川一造さん(平成10年2月16日に死亡)のままになっているため、まずは、相続登記を行うことにしました。
(1) 最初の登記事項証明書
相続登記前の登記事項証明書は以下の通りです。
表は、左右にスワイプして閲覧可能です。
市川市市川1丁目1025-6 全部事項証明書(土地) |
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表題部(土地の表示) | 調製 平成16年11月25日 | 地図番号 | |||
不動産番号 | 1844001095955 | ||||
【所在】 | 市川一丁目 | ||||
【①地番】 | 【②地目】 | 【③地積】㎡ | 【原因及びその日付】 |
【登記の日付】 | |
1025番6 | 宅地 | 115.50 | 1025番2から分筆 |
昭和56年1月12日 | |
昭和63年法務省令第37号附則 第2条第2項の規定により移記 平成16年11月25日 |
表は、左右にスワイプして閲覧可能です。
【権利部(甲区)】(所有権に関する事項) | ||||
【順位番号】 | 【登記の目的】 | 【受付年月日・受付番号】 | 【原因】 | 【権利者その他の事項】 |
1 | 所有権移転 | 昭和55年9月25日第13625号 | 昭和55年6月20日 | 所有権 市川市市川東一丁目23番地9 市川一造 順位2番の登記を移記 |
昭和63年法務省令第37号附則 第2条第2項の規定により移記 平成16年11月25日 |
これは登記記録に記録されている現に効力を有する事項の全部を証明した書面である。
ただし、登記記録の乙区に記録されている事項はない。
【②地目】【③地積】
現状と違っている場合も多くあります。
「昭和63年法務省令第37号附則第2条第2項の規定により移記」
それまで紙の謄本で処理していたものをコンピュータ化したことを表しています。
新しく建築された建物を除き、ほとんどの登記事項証明書に記載されています。
その後の日付は法律が出来てから、実際にその不動産についてデータの移行処理が行われた日付です。
「順位2番の登記を移記」
コンピュータ化した際に、表示してもしなくても影響のない部分を削除し、それ以降の番号を繰り上げたことを示しています。
削除された部分は法務局で保管されている閉鎖登記簿取得、若しくは閲覧可能です
「ただし、登記記録の乙区に記録されている事項はない」
不動産に所有権以外の権利(抵当権、地上権、賃借権など)が無い場合に表示されます。
(2)相続登記後
一男さんの母親は一造さんより先に亡くなっているため、相続人は一男さんのみです。
平成18年5月11日に法務局に書類を提出(申請)し、相続登記した場合、次の状態になります(表題部(上の部分)は変化がないので権利部(下の部分)のみ表示)。
表は、左右にスワイプして閲覧可能です。
【権利部(甲区)】 (所有権に関する事項) | ||||
【順位番号】 | 【登記の目的】 | 【受付年月日・受付番号】 | 【原因】 | 【権利者その他事項】 |
1 | 所有権移転 | 昭和55年9月25日 第13625号 |
昭和55年6月20日相続 | 所有者 市川市市川東一丁目23番地9 市川一造 順位2番の登記を移記 |
昭和63年法務省令第37号附則 第2条第2項の規定により移記 平成16年11月25日 |
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2 | 所有権移転 | 平成18年5月11日第5721号 | 平成10年2月16日相続 | 所有権 |
甲区順位番号2番が新しく追加されました。
【登記の目的】
所有者が変わる場合は「所有権移転」です。
【受付年月日・受付番号】
日付は法務局で申請書が受け付けられた日で、番号はその法務局での1月1日から12月31日までの受け付けの通し番号です。
【原因】
申請書の作成、提出、受付などには関係なく、権利が移転した日です。相続の場合は元の所有者が亡くなった日になります。
【権利者その他の事項】
新しい所有者が1人の場合は「所有者」になります。兄弟2人で相続した場合などは「共有者」として2人の住所氏名が記載されます。
次回はリバーエステート㈱に移転するところから見ていきましょう。
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