債務の額を正確に把握しよう(その2)
債務の額を正確に把握するには、取引業者から取引履歴を出してもらうことが必要となります。
現在は、取引業者に取引履歴の開示義務がありますので、開示までの期間の長短はありますが、取引業者は取引履歴を開示してきます。但し、ある一定の期間より前は、取引業者の方で取引履歴を破棄していることもありますから、その場合は通帳や振込用紙の控え等から取引の事実を立証するしかなくなります。
取引履歴の取得方法は、弁護士や司法書士に頼んで取り寄せるのが通常でしょうが、本人が取引業者に直接問い合わせて履歴を取得することもできます。弁護士や司法書士に頼んで取引履歴を取り寄せた結果、残債務がある場合は、信用情報に登録されることになりますので、過払いになるか微妙な場合は、信用情報に登録されることを避けるために、本人で取引履歴を取り寄せる方もいます。
取り寄せた場合は、エクセルシート等を使って、パソコンで計算します。そこで、現在の正確な債務がわかります。多額の債務を負っていると思っていた人が実は多額の過払い金請求権を有していたということもあります。
そして、これらの一連の作業はできるだけ早急に行うことをお勧めします。早く、債務額を把握すればそれに従って、弁済計画を立てることもできますし、もし過払い金が発生しているような場合であれば、近い将来、請求先の取引業者が倒産する可能性もあるからです。ちなみに、近時倒産した武富士について、会社更生の申し立てを行う前は過払い金の請求には普通に応じていましたが、申立後は会社更生手続きによるため3%程度の額に減少してしまったのは記憶に新しいところです。