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研究レポート

9 選挙モニターのボランティア

著者:弁護士・弁理士 南部朋子

2007/11/9

1. The Committee of Seventyについて

 フィラデルフィアには、The Committee of SeventyというNPOがあります。The Committee of Seventyは、1904年に設立された団体で、もともとは政治腐敗や貧困層・移民が犠牲となるような政治体制を是正することを目的とすることからはじまりました。現在は、フィラデルフィアの選挙が適正に行なわれるように、日ごろから市民に対して選挙に関する啓蒙活動や投票日(Election Day)においてボランティアによる選挙のモニターをすることに力を入れているようです。
 The Committee of Seventy のサイトhttp://www.seventy.org/

2. 選挙モニターに応募するまで

 ペンシルベニア大学ロースクールの副学長から、在学中のロースクール生に対し、「来る2007年11月6日の選挙(フィラデルフィアの裁判官・市長・検察官などを選出)に備えてThe Committee of Seventyが法律の知識を有する選挙モニターのボランティアを募集している」ということが知らされました。このボランティア活動に参加すると、活動に費やした時間はいわゆるプロボノ活動として申告することができるため、翌年就職を控えたJDの3年生が比較的積極的に応募するとのことでした。また、ボランティア活動はチームを組んで行なうとのことでした。
 私は、米国の投票所の雰囲気も見てみたいし、普段交流の機会があまりないJDとお話しする良いチャンスでもあると思い、応募しました。結局、同じロースクールでは応募した日本人は私だけでしたが、クラスメートのLL.M.生も10人程度応募していました。

3. 選挙モニターのボランティアの役割

 私は、同じロースクールのJD3年生と二人でチームを組み、投票日の午前7時から午前11時30分まで、The Committee of Seventyのボランティアとして活動しました。
 活動内容としては、割り当てられた地域の投票所を訪問して、その様子を報告し、投票に関して紛争が発生していたら、その解決に可能なかぎり協力するというものでした。時間的な制約もあり、訪問できた投票所は全部で13箇所でした。各投票所では、投票所の運営を行なう公務員(officials)をインタビューしました。例えば、所定のofficialsが揃っているか、スペイン語等第二外国語が話せるofficialsはいるか、選挙人名簿に名前が載っていない住民はいたか、投票マシンに不具合はないか、車椅子の選挙人専用の入り口が用意されているか、候補者の選挙活動で問題行動はなかったか、などを聞き取り調査しました。
 調査結果は、The Committee of Seventyからあらかじめボランティアに配布された書式に記入し、同団体に提出しました。

4. 投票所の様子

 投票所の多くは、教会、学校、レクリエーションセンターなど公共の場所に設置されていましたが、一般住宅が投票所になっているところもあり、驚きました。投票日の朝は雨が降っていて、気温も低かったので、投票に来る住民の出足も遅く、どの投票所も投票に来る人はまばらで、officialsはあまり忙しそうではありませんでした。投票は午前7時から開始でしたので、officialsが朝食がわりにドーナツを食べて会話を楽しみながら投票に来る住民を待っているという投票所も何箇所かありました。
 Officialsは、皆、投票所の周辺地域に住んでいて、投票所に投票に来る住民や近所の様子を知っているとのことでした。したがって、投票所はアットホームな雰囲気であり、住民が投票に来ると、その住民にofficialsが「よく来たね。調子はどうだい?」などと声をかけていることもありました。

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