試験教室内での飲食物の持ち込みは自由であり、試験中に飲んだり食べたりすることも自由です。
　あまり音を立てすぎたり、きついにおいを発生させたりすると、周囲の受験生に、ロースクールの担当部署（Registrar's officeという、授業の履修登録関係をつかさどる部署）に苦情を申し立てられてしまう可能性はあります。

　ただし、ロースクールの副学長の話では、受験中の学生は非常に試験に集中しており、かつ我慢強いとのことです。
　以前、公道に面した入り口のある教室で試験が行なわれた際、野良犬が教室にまよいこんでほえたりうなったり、受験生に近づいてちょっかいを出していたが、学生たちは「しっしっ。」と一生懸命追い払いながら、必死に解答を作成しており、副学長が教室内の様子を見に来て犬を追い払うまで誰もRegistrar's officeに報告しにいかなかった、ということでした。

　また、あるとき、同様に公道に面した入り口のある教室で試験が行なわれたとき、浮浪者が教室に入ってきて、受験中の学生たちの前で、タバコをふかしたり、泣いたり叫んだりしていたが、学生はだれもRegistrar's officeに報告しにいかなかった、ということもあったそうです。
　その際も、副学長が教室の様子を見に行ったときに、浮浪者を教室から退出させたとのことで、副学長がある学生に「なぜ報告しなかったのか」ときいたところ、その学生は、浮浪者のことを「試験監督官かと思いました」と答えたということです。

　ロースクールのIn class　examでは、試験監督官は試験の開始時と、終了15分前くらいから解答の提出終了までは教室にいるものの、試験時間中はほとんど教室にいませんので、カンニング等、不正の報告はすべて受験中の学生にゆだねられています。