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研究レポート

その2 事業継承の必要性

著者:弁護士 宮本勇人

2007/4/12

その2・事業継承の必要性

 ~事業承継の準備をしていなかった場合に起こる最悪のシナリオ~

 オーナー経営者Xが、遺言をせずに、突然、死亡し、相続人がABCの3人であるとします。そして、その中のAが事業の承継者とします。オーナーXの有していた個人の資産は遺言がなければ、遺産分割協議が行われることになりますが、相続人間に争いがある場合には、紛争が長引くおそれがあります。遺産分割によると、事業承継者Aに事業継続に必要な資産が迅速に引き継がれないとともに、場合によっては最終的に事業継続に必要な資産が他の相続人BCに帰属することにもなりかねません。

1、預貯金

 オーナーX名義の預貯金が事業の資金繰りに組み入れられている場合、相続が発生すると金融機関に対する預貯金の支払いの請求が事実上できなくなります。仮に、できたとしてもBCにより法定相続分に従って払い戻しがなされる可能性があります。結局のところ、資金繰りに重大な支障をきたし、その分の資金を他から借り入れることが必要になり、資金が調達できなければ場合により倒産にもなりかねません。とくに、事業が順調な場合は黒字倒産の可能性もあります。

2、株式

 株式については、遺言がなければ相続により準共有となり、議決権を行使すべき者は、共有持分の過半数によって定めることとなっています。(Xが3000株を有していた場合、ABCに各1000株相続されるのではないことは注意を要します)したがって、BCが協力すればXが有していた3000株についてはBCの意のままに行使することができ、結果としてAはそれに従わざるを得ず、会社の経営に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

3、対策

 それを避けるには、生前贈与や遺言等を活用して事業に必要な資産を承継者に引き継がせるように準備しておけばよいのです。なお遺言による場合は、後日、遺言等の効力が争われないように公正証書にしておくとよいでしょう。また、遺留分についても配慮した遺言内容にする必要があります。現在のオーナーが健在のうちは、ABC仲良くやっていても、オーナーがなくなった場合にも仲良くやっていくとは限りませんのであらかじめ、対策を立てておくことが必要になってきます。

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