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研究レポート

2 解雇の無効と不利益取扱いの禁止

著者:弁護士法人リバーシティ法律事務所

2016/3/25

Q

普段から問題行動のある従業員に対し、懲戒処分を検討しています。
その従業員は、最近公益通報をした者です。
会社としては、その従業員が公益通報をしたことを理由に懲戒処分にするわけではないので、懲戒処分をすることに問題はないでしょうか。

 公益通報者保護法では、法律の要件を満たす公益通報をした労働者の解雇は無効とされ、また、その労働者を雇っている事業者が、労働者に対し降格、減給その他不利益な取扱いをすることを禁止しています。

 しかし、法は、「公益通報をしたこと」を理由とする上記のような不利益取扱いを禁止しているのであり、公益通報をしたことと無関係に、ほかの理由に基づき、降格、減給その他不利益な取扱いをすることを禁止しているものではありません。
 そのような意味では、当該従業員が、公益通報をしたことをもって、その従業員に対し、懲戒処分を検討できなくなるわけではありません。
 ただし、会社が懲戒処分を検討するにあたっては、その処分が、実質的には、公益通報を理由にするものだと思われないように注意をすることが必要です。
 当該従業員が、懲戒処分を検討している時期と近い時期に公益通報をしている場合には、ほかの従業員が同じ問題行動をした場合にも、会社は、必ず同じ程度の懲戒処分をすると後に説明することができるのか、当該従業員に対する懲戒処分が、会社としてイレギュラーな対応になっていないか、慎重に検討することが必要です。

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