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研究レポート

5 リーガルライティング

著者:弁護士 宮本勇人

2006/6/30

その5・リーガルライティング

 私は、選択科目として倒産処理法を教える他に、リーガルティング(他の法科大学院ではエクスターンシップという名称で同様な内容を行っているところもあるようです)といって、法科大学院の学生を2人1組で4日間程度、事務所に受け入れ、実務について学ぶ機会を与えるという科目も担当しています。時期は、3年次の7月下旬から9月上旬と、法科大学院の講義がちょうど夏期休講になる時期に行われます。

 履修案内によると、この「科目のねらい」は、法律事務所における依頼人と弁護士との話合い、又は公共の法律相談における相談者から聞き取りに学生を立ち会わせ、①法律の素人の語る内容から法的関連性のある事実を抽出し、確認すべき事柄をどのような問い掛けによって聞き出すかという、意思疎通の方法を実習するとともに、②当該問題解決の可能性とそのために必要な手続きを調べ、③聞き出した事実についての必要十分な記録と法的解決の提案を文書として作成するところまで実習するとなっています。

 このようなことは、弁護士でも十分にできるのか自信のないところであり、学生にとっては、正直言ってかなり高い到達目標であるといえます。

 もっとも、「科目のねらい」の、最後の部分に、司法研修所入所後も法律事務所における実務修習が予定されていることから、本科目は、予行的な実習として現場の作業に慣れるほか、法曹になることへの学生のインセンティブを高めることを目的と すると記載されており、極めて現実的なねらいが述べられています。

 ところで、リーガルライティング担当者がもっとも気にするのは、法科大学院の学生は司法修習生と違って身分がはっきりしないため、どこまで関与させたらよいのかという点です。司法修習生については、裁判所法に規定があり、規則でも詳細に定められています。

 ところが、リーガルライティングの場合は、身分としては、いわば、法科大学院の一学生に過ぎないのです。司法修習生であれば、刑事事件の接見に立ち会わせたりすることもできますが、リーガルライティングの学生では無理です(もちろん、担当者によっては、実際に接見に立会わせたという話も聞いたことがありますが、一般的ではありません)。司法修習生は、場合によっては罷免という制裁措置がありますが、リーガルライティングの学生には、 当該、法科大学院から退学処分を受けるにとどまると思います。従って、時間的制約、身分的制約から自ずと、法律事務所において関わる内容にも限界があります。

 それでも、法律相談で、相談者に承諾を得れば相談に立会わせることはできます(ほとんどの相談者は快く承諾してくれます)。その後に相談内容について学生と法律的な議論をすることもできます。また、契約書をチェックしてもらい問題点を議論することもできます。 なお、当然のことながら、一般に、学生が、法律事務所において見聞した秘密情報を公にしないよう、配慮がなされています。

 以上のようにリーガルライティングについては、限界はありますが、それをふまえても、十分な意義があると思います。

 今年も、そろそろ、学生が来るので何をやってもらおうか考え始めているところです。

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