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研究レポート

6 クレームにどう対応するか(具体的な対応)

著者:弁護士 宮本勇人

2016/4/22

 では、現場で日々生じるクレームに、どのように対応したらよいのでしょうか。
 第1に、クレームに一人で対応しない、これが重要です。クレーム対応の仕事は決して気持ちの良いものではないので、担当者任せにしがちです。しかし、担当者を孤立させてしまうと、心身ともに追い詰められ、冷静な対応が困難になってしまいます。クレームに関する情報は、会社(または各部署)全体で共有することが必要です。
 第2に、全体で情報共有をしつつも、窓口は一本化することが必要です。特定の顧客のクレームに対し、複数の窓口で対応すると、後にあの担当者はああいった、この担当者はこう言った、などと、無用のトラブルを招くことになります。
 第3に、即時の対応を求められても、決して即断即決してはいけません。書面へのサインを求められることがありますが、これは現場の担当者がその場で決断できるものではありません。先に述べたとおり、いったん持ち帰って検討しましょう。
 第4に、クレーム対応の前に、対応出来る限界を決めておくことが必要です。事前にシミュレーションをし、このラインを越えたら「持ち帰って検討」、このラインを越えたら「警察、弁護士に連絡」といった、対応の限界ラインを決めておきましょう。明らかに過大な請求に対しては、現場での対応は無理であり、弁護士による交渉など、他のテーブルで話をしないと解決は望めません。

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