会社が破産すると従業員の退職金はどうなりますか?
Q
会社が破産すると従業員の退職金はどうなりますか?
1 退職金規定がなければ原則として払うことができません
会社が破産することになった場合、退職金規定がないのに、会社の資産から経営者の判断で恩恵的退職金を支給することはできません。
2 退職金規定があれば破産手続の中で他の破産債権に優先して支払われます
退職金規定があり、過去にもその退職金規定に則った退職金支払い実績があるなど、労働者の退職金請求権が法的権利として認められる場合には、その退職金請求権は、破産手続上も、一定の保護を受けます。
未払退職金は、未払給与と同様に、財団債権や優先的破産債権となり、他の一般破産債権より優先して弁済されることになります。
もっとも、優先的扱いを受けるからといって、必ず退職金が支払われるとは限らず、破産した会社にある資産の額や、退職金債権に優先する債権(破産手続に要する費用や租税債権等)の額などにより、未払退職金弁済の可否や弁済可能額が決まることになります。
3 未払退職金は労働者健康安全機構による立替払の対象になります
破産会社から退職金の弁済を受けることができない場合でも、その一部については、労働者健康安全機構から立替払いをしてもらえます。詳しくは、「未払賃金立替払制度とは?」をご覧ください。
4 中退共などからの退職金は倒産の影響を受けずに支払われます
会社が、中小企業退職金共済など外部退職金積立制度に加入していて、その外部共済などが労働者に直接退職金を支給することになっている場合は、会社が倒産しても影響を受けることなく、外部組織から労働者に直接所定の退職金が支払われます。