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研究レポート

1 大災害が起きた際に適用される主な法律に関するQ&A

2011/4/22

Q

今回の東北地方太平洋沖地震のような、大きな災害の際に適用される法律にはどのようなものがありますか。

A 主に以下のような法律があります。

(1) 災害救助法

 災害救助法は、国が、地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力のもとに、応急的に必要な救助を行い被災されたかたの保護等を図ることを目的とする法律です。

救助の内容は、
①仮設住宅等の供与
②炊き出し等による食品の供与及び飲料水の供給
③被服、寝具等生活必需品の給与又は貸与
④医療及び助産
⑤被災されたかたの救出
⑥被災されたかたの住宅の応急修理
⑦生業に必要な資金等の給与又は貸与
⑧学用品の給与
⑨埋葬
等です。

このたびの東北地方太平洋沖を震源とする地震によっても、岩手県、宮城県、福島県、青森県、茨城県、栃木県、千葉県で多数のかたが生命、身体等に危害を受け、受けるおそれが生じ、避難して継続的に救助を必要とするため、各県は、災害救助法の適用を決定しました(厚生労働省 平成23年3月24日18時発表)

(2) 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(激甚災害法)

 激甚災害法は、著しく激甚である災害が発生した場合における国の地方公共団体に対する特別の財政援助又は被災者に対する特別の財政援助等について規定する法律です。
このたびの地震は津波を伴い、東北地方を始めとした東日本に著しく甚大な被害を発生させたので、政府は、この被害が激甚災害指定基準を明らかに超えるものと見込み、3月12日に、激甚災害の指定を行う政令を閣議決定しました。

政令により、適用される主な措置は以下のとおりです。
① 社会福祉施設、公立学校施設等の災害復旧事業についての国庫補助のかさあげ
② 農業用施設等の災害復旧事業等についての国庫補助のかさあげ
③ 水産動植物の養殖施設が被害を受けた場合の災害復旧事業に対して補助
④ 事業の再建を図る中小企業者等に対する特例措置
⑤ 私立学校施設災害復旧事業に対する補助
⑥ 罹災者公営住宅建設等事業に対する補助の特例
⑦ 雇用保険法による求職者給付の支給に関する特例

等です。

(3) 災害弔慰金の支給等に関する法律

 災害弔慰金の支給等に関する法律は、災害により死亡したかたの遺族に対して支給する災害弔慰金(500万円が上限)、災害により精神又は身体に著しい障害を受けたかたに対して支給する災害障害見舞金(250万円が上限)及び災害により被害を受けた世帯の世帯主に対して貸しつける災害援護資金について規定するものです。

(4) 被災者生活再建支援法

 被災者生活再建支援法は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けたかたに対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることによりその生活の再建を支援することを目的とする法律です。
このたびの地震を受けて、平成23年4月4日時点で、岩手、福島、青森、宮城、長野、茨城、千葉、栃木、新潟の各県でこの法律の適用が決定しています(内閣府ホームページ記者発表・公表資料一覧より)。

対象となる被災世帯は
①住宅が全壊した世帯
②住宅が半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
③災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
④住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯
です。

支援金の支給額は、住宅の被害程度や住宅の再建方法により異なり、申請する際には添付書面(申請内容により異なります)、申請期間の制限もありますから、申請窓口である市町村ホームページなどで確認する必要があります。

(5) 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律
(権利保全特別措置法)

 権利保全特別措置法は、災害の被害者の権利利益の保全等を図るための法律です。 このたびの地震による災害はこの法律の「特定非常災害」に指定され、行政上の権利利益の満了日の延長等を行うことが決定されました。
満了日が延長される具体的な行政上の権利利益は各省庁が発出する告示により定められます。
既に告示されたものの一例としては、警察庁による運転免許証の有効期間の延長等、法務省による在留資格に伴う在留期間の満了日の延長等があります。

(6) 罹災都市借地借家臨時処理法(罹災都市法)

 罹災都市法は、既存の借地権の保護や滅失した建物の借家人の保護を目的とした法律です。

借地関係では、
①借地上の建物が滅失しても5年間は借地権の対抗力を主張できること
②借地権の残存期間が10年未満のときは10年に延長されること、

借家関係では、
①滅失建物の借家人はその敷地に最初に再築された建物について、完成前に賃借の申し出をすることによりその建物を優先して賃借できること
②建物が滅失した当時の借家人は、借家の借地権者に対し、2年以内に借地権譲渡の申し出をすること

で優先的に相当な対価で借地権の譲渡を受けられることなどが規定されています。
具体的な疑問については、★後記のQ&Aをご参照ください。

(7) 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律

 この法律は、災害の被害者の納付すべき国税の軽減、免除、その課税標準の計算、徴収の猶予、災害を受けた物品について納付すべき国税の徴収、還付について特例を定めるものです。

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