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研究レポート

2 日ごろから心がけるべきこと(平常時の管理)

著者:弁護士 宮本勇人

2008/4/9

その2・日ごろから心がけるべきこと(平常時の管理) 

 前回は、無い所からは取れない、法的手続を取られてしまっては遅いという債権回収の大原則を説明しました。そこから、極めて当たり前のことですが、平常時に売掛金を適正に管理することが重要になります。常日頃からの積み重ねこそが重要なのです。

平常時の管理として、取引先の状況について、常日頃から気を配ることが必要です。

 具体的には、売掛金が期日どおりに入金されているか、合理的な理由もなく売掛金の残が増加していないか等を把握する必要があります。そのためには、月次で試算表を作るような会社のシステムにしなければなりません。決算を行って初めて、どれだけ売掛金の残があるかが分かるようでは、売掛金の管理が適正に行われているとは到底いえず、売掛金の残が増加しているのに気がついた時には、もはや手遅れにもなりかねないのです。

また、経営者の動きにも注意するとよいでしょう。重要な事項について経営者に問い合わせをしても、なかなか、連絡を取ることができなかったり、納得のいくような回答が得られなかった場合は要注意です。

会社が組織として正常に動いていない可能性があると考えられるからです。また、メインの金融機関が変更になったりする場合にも、会社で重大な事態が起こっている可能性があるので要注意です(法的な手続をする前提としてメインの金融機関を変更する例もあるからです)。さらに、従業員が多数退職したり、核となる従業員が退職したりした場合も、会社内で何か問題が起こり、今後の経営に大きな影響を及ぼす可能性があるので要注意です。

さらに、新規の取引先については、格別な配慮が必要です。今までに、取引がないわけですから、より慎重な配慮が必要なのはいうまでもありません。

最低限、登記簿謄本を取り寄せ、実際に会社を訪問し経営者や担当者に面談することは必要でしょう。また、同業者から評判を聞くことも役に立つと思います。ただし、会社を訪問して設備も立派だからといって、安易に信用すると思わぬ落とし穴があります。近頃は、暴力団が一般の会社を利用して表向きは適法なビジネスを行っている場合もありますので要注意です。

もっとも、仕事を広げるにはある程度の冒険もしなければならないことは否定できません。

新規の取引を開始するかは経営者の判断にかかるもので難しいといわざるを得ませんが、そのときも、リスクがあること、それを最小限にとどめる努力をすべきであることを常に忘れずにいなければなりません。好調なときこそ、後で取り返しのつかない落とし穴に落ちることがあることは、よくあることです。

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