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研究レポート

1 はじめに、債権回収の大原則

著者:弁護士 宮本勇人

2008/1/28

その1・はじめに、債権回収の大原則

はじめに

 債権の回収は、企業にとって、その回収金を、次の仕入れ、金融機関への返済、給料等の経費に充てなければならないという意味で必要不可欠です。回収が不十分な場合には企業の利益を損なうばかりか、その金額によっては経営状態に重大な影響を与えることにもなりかねません。そこで、売掛金等の債権を確実に回収するには、日ごろから、どのような点に注意したらよいのかを考えていきたいと思います。

1 無い所からは取れない 

私が勝手につけたのですが、どんなに努力しても「無い所からは取れない」ということが大原則として挙げられます。
 我々、法律家がどのような方法を取っても、相手等に支払うだけの資力がなければ回収は不可能です。法律を使って回収する以上、そのルールに従わざるを得ず、限界があります。非合法な手段で回収する者もおり、その結果、いくらかの回収がなされる場合もあります。しかし、非合法な手段を用いる集団(暴力団等)を利用することは、会社の将来に多大の不利益をもたらすことになりますので、絶対に避けなければなりません。そのような集団を利用しなければ企業の存続が維持できない場合には、経営者は、廃業することを決断しなければならないと思います。

2 法律手続を取られてしまっては遅い

債権回収の相手方が破産手続、民事再生手続等の法的申立をした場合は、債権回収はほぼあきらめざるを得ません。

 例えば、法的手続のうち最も多い破産申立の場合につい考えますと、売掛金等の債権を有している一般債権者は破産債権者として、破産手続においては最も優先順位が低くなっています。一般債権者は、税金や従業員の給料・退職金といった優先するものが支払われた場合に限って配当を受けられますが、近時の統計では、破産申立をした企業のうち3分の2は一般債権者への配当がなされずに手続が終了しています(いわゆる異時廃止)。また、配当を受けられる残りの3分の1の場合も10%未満の配当に終わっています。

 さらに、破産申立等を行われた場合、債権者は破産手続に従って、破産債権の届出を行う等の法律に従った権利行使をしなければならず、1人だけ抜け駆けして債権の回収をすることが禁止されます。

 結局、法的申立が行われた場合は、法的手続に従って粛々と進めるしかなく、当該債権について無税償却すること等により、債権の処理をすることに重点が置かれると思います。 

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