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令和2年4月1日の改正民法施行前は、職業別の短期消滅時効や、商事消滅時効の制度等が存在しましたが、改正民法では、それらの時効期間が原則として一本化されました。もっとも、生命・身体の侵害による損害賠償請求権の時効期間については、特則が定められています。
また、賃金債権についても、当面の間時効期間を3年とする取扱いがされることとなっています(実務の視点16賃金債権の消滅時効参照)。
この新しい時効期間の定めについてまとめると、下表のようになります。
原則 | 生命身体の侵害 | |
---|---|---|
債務不履行 | 短期:権利を行使することができることを知った時から5年 | |
長期:権利を行使することができる時から10年 | 長期:権利を行使することができる時から20年 | |
不法行為 | 短期:損害および加害者を知った時から3年 | 短期:損害および加害者を知った時から3年 |
長期:不法行為の時から20年 | ||
判決等 | 10年 |
改正前民法は時効の中断、停止という概念を採用していましたが、中断の中には、更新の効果が生ずる場合と完成猶予の効果が生ずる場合が混在していました。そこで、新法では、下記のとおり、更新と完成猶予に概念整理が行われました。
更新 :債務の承認、判決の確定等の事由によって、時効期間を振り出しに戻して新しく進行を始める効果
完成猶予:催告等の事由によって、時効の完成を一定期間遅らせる効果
新法では、協議合意による完成猶予の仕組みが導入されました。
これは、当事者間で権利に関する協議を行う旨の書面または電磁的記録による合意があった場合に、下表の期間は時効の完成が猶予される、という制度です。
協議合意の内容等 | 完成猶予期間 | |
---|---|---|
協議期間の定め無し | 合意から1年 | 時効完成前の再度の合意により通算5年まで伸長可 |
1年未満の協議期間を定めたとき | 当事者が定めた期間 | |
当事者の一方が相手方に協議続行拒絶の通知をしたとき | 通知から6カ月 |
もっとも、催告による完成猶予中の協議合意には、協議合意による完成猶予の効力は発生しないので、注意が必要です。
新法と改正前民法のどちらの時効制度が適用されるかについては、事案によって異なるので注意が必要です。概略としては、施行日(令和2年4月1日)より前に生じた債権について、消滅時効を援用する際には改正前民法が適用されることになりますが、適用関係にわからないことがある場合は、専門家に相談するとよいでしょう。
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