不動産取引、知的財産から離婚・遺言・相続まで。

あらゆるお悩みに、各分野に精通した弁護士が迅速に対応いたします。

研究レポート

14 消費者契約法(14)※平成30年改正の概要

著者:弁護士 川名秀太

2019/11/29

1 平成30年改正のポイント(令和元年6月15日施行)

  • 事業者の努力義務の明確化(3条1項)
  • 取消事由の不利益事実の不告知に重過失類型を追加(4条2項)
  • 取消制度の困惑類型に6類型追加(4条3項)
  • 無効となる不当条項の追加(8条~8条の3)

2 事業者の努力義務の明確化(3条1項)

  • (1)事業者は、契約条項について解釈に疑義が生じない明確で平易なものになるよう配慮するよう努めなければならない。
  • (2)事業者は、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で必要な情報を提供するよう努めなければならない。
     ⇒ これらの規定は、文言上努力義務に過ぎませんが、事業者の説明義務違反を認定する際の考慮要素にはなると考えられます(裁判例:名古屋地判平成28年1月21日、判時2304号83頁)。消費者契約に臨む事業者は本規定に注意する必要があります。

3 不利益事実の不告知(4条2項)

 消費者契約法(10)のレポートで紹介した不利益事実の不告知ですが、事業者が消費者契約を勧誘する際に、重要事項等について、あえて(故意に)告げなかった場合に加え、重大な過失により告げなかった場合にも、取消しができることとされました。
 個別の事案に即し、事業者が当然知っている、または知っているべきことを言わなかったといえるような状況であれば、本条にあたると考えられます(参考裁判例:神戸簡裁平成14年3月12日、平成13年(ハ)第2302号)。

4 取消制度の困惑類型に6類型追加(4条3項)

 消費者契約法(11)のレポートで紹介した2類型に加え、以下の6類型の行為により消費者契約の申込み又は承諾の意思表示をしてしまった場合が、取消事由として追加されました。

  • (1)社会生活上の経験不足に付け込み不安をあおって勧誘する行為
  • (2)社会生活上の経験不足に付け込み恋愛感情等に乗じて勧誘する行為(デート商法)
  • (3)判断力の低下に付け込んで不安をあおって勧誘する行為
  • (4)霊感等による知見として不安をあおって勧誘する行為(霊感商法)
  • (5)契約後に行うはずの義務を事前に履行したことを理由に勧誘する行為
  • (6)契約締結前の準備行為等を行ったことを理由に勧誘する行為

5 無効となる不当条項の追加(8条~8条の3)

  • (1)損害賠償責任の有無や内容等を事業者が定める条項
  • (2)成年後見等の開始を理由とする解除権を定める条項

当事務所は法律全般の法律相談を承ります。お気軽にお問い合わせください。

法律問題・トラブルは、弁護士法人リバーシティ法律事務所へ。

047-325-7378

(平日9:30~17:30受付)

法律相談予約専用ダイヤル

0120-25-7378

(24時間受付、土日対応可)

「相談したいけど…」と迷われている方、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの不安や悩みを解決するお手伝いをいたします。

TOP