破産に関する資格制限と復権
1 破産に関する資格制限のある職業
警備員、弁護士、税理士、生命保険外交員(生命保険募集人)、証券外務員、宅地建物取引士などの職業にある人が破産すると、その資格の欠格事由に該当したり、登録抹消事由になったりします。
2 復権すれば資格制限はなくなる
破産しても、➀免責許可決定が確定したとき、➁同意破産廃止決定(債権者全員の同意による破産手続廃止)が確定したとき、➂再生計画認可決定が確定したとき、➃破産詐欺罪の有罪確定判決を受けることなく10年経過したとき、➄破産債権者に対する債務の全部の責任を免れ(弁済・相殺・免除・時効消滅等により責任を免れ)、裁判所から復権の決定を受けたときには、前記のような資格制限はなくなります。
破産者に課せられていた公私の資格制限がなくなることを「復権」と言います。
3 復権までの期間
実務上、復権の大半は、上記➀の「免責許可決定確定」によるものです。
免責許可決定は、早ければ破産後2カ月半くらい(同時廃止決定かつ免責意見なしの場合)で出され、確定まで入れても3カ月半程度で済むことがあります。ですから、前記資格制限や登録抹消事由があるのは、短ければ3カ月半程度ですが、免責に争いがあったり破産手続が長引いたりした場合には、1年以上資格制限のある状態が続くこともあります。
万一免責許可決定が得られなかった場合でも、上記➃のとおり、破産詐欺罪の有罪確定判決を受けなければ、破産後10年で復権することになります。