DV
DVに対する対応の変化
DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、
かつては「法は家庭に入らず」の原則のもと、家庭内のことは家庭内で解決するべきものとされてきました。
しかし、DVは家庭内だけで処理できる問題ではありません。
そのため、現在では、行政等の第三者が積極的に関与していくべきとされ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が制定されました。
まずは身の安全を!
現在DVの被害にあっている場合、まずは身の安全を確保する必要があります。
最低限の荷物(預金通帳、現金、保険証等)をまとめ、お子さんを連れて避難してください。
実家や友人宅に一時避難するのもよいでしょう。
保護命令とは?
一時避難で身の安全を確保した後、状況に応じて、裁判所に対し、保護命令の申し立てをします。
保護命令には、次の種類があります。
1 被害者への接近禁止命令
6ヶ月間、被害者の身辺に付きまとい、又はその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずる。
2 被害者への電話等禁止命令
被害者への接近禁止命令の期間中、次に掲げるいずれの行為も禁止する。
- 面会の要求
- 行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又は知り得る状態に置くこと
- 著しく粗野又は乱暴な言動
- 無言電話、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること
- 緊急やむを得ない場合を除き、午後10時から午前6時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールを送信すること
- 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又は知り得る状態に置くこと
- 名誉を害する事項を告げ、又は知り得る状態に置くこと
- 性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくは知り得る状態に置き、又は性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくは知り得る状態に置くこと
※ 被害者への接近禁止命令と併せて(被害者への接近禁止命令と同時又は被害者への接近禁止命令が発令された後)発令されます。
3 被害者の子への接近禁止命令
被害者への接近禁止命令の期間中、被害者の同居している子の身辺に付きまとい、又はその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずる。
4 被害者の子への接近禁止命令
2か月間、被害者とともに生活の本拠としている住居から退去すること及びその住居の付近をはいかいしてはならないことを命ずる。
保護命令に違反したら?
配偶者が保護命令に違反した場合、刑事罰(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)が科されます。
なお、東京地方裁判所の場合、約1~2週間で保護命令が出ます。