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研究レポート

4 マンションの共有部分と規約

著者:弁護士法人リバーシティ法律事務所

2005/7/12

Q

私は、分譲マンションの管理組合で理事長をしています。
私の住むマンションの管理規約では、住人は、ベランダに勝手にパラボナアンテナ等を設置してはならないということになっています。
ところが、ある部屋の住人が1年ほど前からベランダにパラボナアンテナを取り付け、管理組合から何度も苦情を言っても、「オレの家のベランダに何を取り付けようと勝手だろう。そんなことまで規約で決めることはおかしい。」と取り合ってもらえません。
彼の言い分が正しいのでしょうか。パラボナアンテナをはずしてもらうためにはどうすればよいのでしょうか。

1. 専有部分と共有部分について

 まず、彼の言い分についてですが、この言い分からすると、彼はベランダが自己の専有部分であると考えているのでしょう。

 しかし、ベランダは、多くの場合、区分使用者の専有部分ではなく共有部分です。管理組合は、共用部分の管理に関する事項は規約で定めることができるのですから、彼の言い分は通らないと考えてよいでしょう。

 また、判例の中にはパラボナアンテナを勝手に設置することにつき、「建物の区分所有者等に関する法律」6条に定める「共同の利益に反する行為」と判断したものがありますので、彼の行為は単なる規約違反のみならず、法に違反した行為となる可能性が高いといえます。

2. パラボナアンテナをはずすためにとりうる手段として

 一般的には、管理規約違反の行為については、まず、管理組合から、当該区分所有者に対して、行為の是正・中止等を求めるための勧告や指示することが考えられますが、本問では、もう既に管理組合から苦情を言っているとのことですね。

 規約違反の点のみならず、もしパラボナアンテナが落下したりして、住人に怪我を負わせるようなことになれば、彼自身も損害賠償の責を負う可能性があることなども話してもう一度説得してみると良いでしょう。 説得に応じてもらえないような場合には、訴訟によって行為の差し止めを請求することが考えられます。
 この場合、管理組合が法人格を有している場合には法人が、有していない場合には、管理者または集会において指定された区分所有者が訴訟を提起することになるのが一般的です。いずれの場合も集会の決議が必要となります。

 また、法律的話からは外れますが、マンションに共同アンテナを設置すれば、彼もパラボナアンテナを設置しておく必要はなくなりますね。
 今のような時代の下では、共同アンテナを設置することを早めに検討して、本件のようなトラブルを未然に防ぐ工夫が必要だと思われます。

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