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研究レポート

3 立法者の意図と実際のずれ

著者:弁護士 宮本勇人

2016/10/14

 立法者が意図したことと実際に運用してみた場合にギャップがある場合が、たまにあります。
 例えば、個人再生手続には、小規模個人再生と給与所得者等個人再生の2種類があり、申立人がその方法を自由に選択することを予定していました。法律制定直後の申立件数では、小規模個人再生を1とすると、給与所得者等個人再生は2.5の割合でした。給与所得者等個人再生は、債権者の議決を要しないので、小規模個人再生を選択して反対され手続が廃止になったら困ると心配して、給与所得者等個人再生が多く選択されていました。
 しかし、平成27年度の申立件数とみると、小規模個人再生を1とすると、給与所得者等再生は0.1以下という割合で、小規模個人再生を基準とするとその割合は25分の1以下になってしまっています。
この理由としては、色々考えられますが、まず、当初、小規模個人再生を申し立てた場合、債権者に反対され手続が廃止になるのではないかということを心配していましたが、実際はそのようなことは杞憂にすぎないということが分かったこと、また、給与所得者等個人再生を選択すると、可処分所得という考え方から弁済額が極めて多くなる場合はわかったことが大きな理由と思われます。
 実際、給与所得者等個人再生を選択する場合は、小規模個人再生では債権者が反対するので、仕方なく選択する場合に限られていますので、立法者の意図とは、ずれてしまったのではないかと思います。

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