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平成29年3月28日に、「働き方改革実現会議」の中で、「副業・兼業の普及促進を図る」ことが決定され、平成30年1月に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が出されました。
ガイドラインの中のモデル就業規則は、
・勤務時間外は原則副業・兼業が可能
・その際には会社に届出を行う
・現在勤務中の会社の業務に支障がある場合、企業秘密が漏えいする場合等例外的な場合は禁止、制限できる
となっています。
従前の就業規則は、原則禁止が多かったことから隔世の感があります。今後は、多様な働き方が広がり、また、労働人口の減少が進むことから副業・兼業も増えていくと思います。
以下の点が現在問題となっています。
労働基準法38条1項では、事業場を異にする場合でも、労働時間に関する規定の適用については、労働時間を通算するということを規定しています。また、通達では「事業場を異にする場合」とは、事業主を異にする場合も含むとしており、異なる事業主のところで勤務する副業の場合であっても労働基準法上の労働時間に関する規制の適用があります。
使用者は副業・兼業の確認にあたっては、労働者からの申告等によりその内容を確認することとし、あらかじめ確認のための仕組みを設けておくことがよいでしょう。そして、副業・兼業を行う労働者を使用するすべての使用者は労働時間を通算して管理しなければなりません。その通算にあっては自社の労働時間と、労働者が申告してきた他社の労働時間を通算して行うことになります。
所定外労働時間の把握方法としては、ガイドラインによれば他の使用者の事業場における実労働時間は、労基法を遵守するために把握する必要があるが、把握の方法としては、必ずしも日々把握する必要はなく、労基法を遵守するために必要な頻度で把握すれば足りる。
例えば、時間外労働の上限規制の遵守等に支障がない限り、
・ 一定の日数分をまとめて申告等させる(例:一週間分を週末に申告する等)
・ 所定労働時間どおり労働した場合には申告等は求めず、実労働時間が 所定労働時間どおりではなかった場合のみ申告等させる(例:所定外労働があった場合等)
・ 時間外労働の上限規制の水準に近づいてきた場合に申告等させる などとすることが考えられる。
とされています。
ガイドラインによれば把握した労働時間に関し労働時間が通算され、その結果、法定労働時間を超えて労働させる場合には、使用者は自社で発生した法定外労働時間について36協定の締結が必要となり割増賃金を支払わなければなりません。そして、通常は、法定労働時間を超えることになるような所定労働時間を定めた労働契約を「後から」締結する使用者との間で36協定の締結が必要となります。
経団連・労働時間等実態調査(令和2年9月17日発表)によりますと、副業・兼業を認めているのは16.9%、認めていないが認める方向で検討中2.9%、懸念が解消すれば認める方向で検討中が29.0%でした。しかし、半数超の51.9%は認めておらず今後も認める予定はないとのことでした。
ところが、令和4年の調査(経団連の「副業・兼業に関するアンケート調査」)によると、副業・兼業を認めている53.1%、認める予定17.5%、検討中していない21.5%、認める予定はない8.0%という結果でした。コロナ禍を経て、副業・兼業に関する企業の考え方が変わったことがわかります。
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