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研究レポート

6 会社の債務整理(事業再生)と代表者の地位等

著者:弁護士 和田はる子

2009/5/20

Q

会社の債務整理を行うと、代表者にはどのような影響がありますか。

代表者の地位への影響

 中小企業では、代表者個人の経営力や営業力で事業が維持されていることが多く、特に、経営者が一代で築き上げた企業や、現経営者が飛躍的に発展させた企業では、代表者の交代が企業経営に深刻な悪影響を与えることが多いと思われます。

 そこで、会社の債務整理手続を行う場合も、原則として従来の経営陣が経営を続ける方が好ましく、任意整理ではもちろんのこと、民事再生を申し立てた場合でも手続の開始によって直ちに代表者が交代させられたり、経営権が剥奪されたりすることはありません。代表者は、その地位から追われることを懸念して債務整理を行うことに躊躇すべきではなく、必要な場合には早い段階での債務整理を検討すべきです。

 ただし、公正に行うべき債務整理手続において債権者に虚偽の説明をしたり、一部の債権者を不当に優遇したりといった問題ある行動を経営者がとった場合は、任意整理に応じてもらえなくなったり、民事再生手続が廃止されたり、民事再生手続中でも管財人が選任されて経営権が強制的に奪われたりすることになります。債務整理手続中は、代理人となった弁護士の意見を聞きながら、公正に手続を進めるよう努めなければなりません。

 最近では、金融機関が経営者の経営責任の取り方に関心を寄せるようになっており、従前の経営に問題(放漫経営、詐欺的取引など)がある場合には、「代表取締役の退任」という形で経営責任を明確にするよう求めることがあります。しかし、代表者が退任すべきか否かは、続投の功罪、後継者の存否等を総合的に判断して決めるべきことですから、一律に退任を求める債権者に対しては、代表者が事業再生に寄与するメリットを的確に主張することが大切です

代表者の保証債務の処理

 会社の代表者は、ほとんどの場合、会社の借入金債務について連帯保証をしています。

 したがって、会社の債務整理として借入金の一部免除を債権者に依頼すれば、その借入金について連帯保証をしている代表者は、保証債務の履行を請求されることになります。

 代表者が一度に多額の保証債務を会社に代わって支払うことは困難でしょうから、代表者も会社と同様、任意整理・民事再生等の債務整理手続をとることが必要になるでしょう。支払う予定のない保証債務を漫然と放置するより、代表者についても何らかの債務整理をきちんと行う方が、債権者も債権の償却処理がしやすく、公正な処理が行われているという信頼感が生まれるので会社の事業再生に対する協力も得られやすくなります。また、会社と同時に債務整理手続を行う場合は、手続費用(裁判所への予納金等)が割安に済むことも多いようです。

 会社の債務整理に関する問題で不安に思うことがありましたらお気軽にお問い合わせください。

中小企業の事業再生

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