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Q
民事再生手続中の債務者に対する債権(再生債権)があったのですが、債権届出をしないまま債権届出期間が過ぎてしまいました。もうこの債権は権利がなくなってしまうのでしょうか。
民事再生手続では、多くの債権者の債権を一括確定させたうえで、債務者の限られた弁済資力を、確定された債権に公平に割り振るということを行います。
そのため、再生計画で弁済率等を決める前に、総債権額(債務者にとっては総債務額)がどれだけの規模なのか、ある程度正確に把握できなければならず、そうしたことから、債権届出期間や債権調査期間が決められており、債権届出期間後は原則として債権届ができなくなります。
しかし、いくつかの救済措置もあり、下記の場合には、届出をしなくても権利がなくなってしまうわけではありませんので、下記例外事由にあたるかどうか確認してください。
なお、以下の説明は、あくまで民事再生手続に関する説明であり、会社更生手続については異なるので、ご注意ください。
(1)届出の追完
届出期間内に届出できなかったことについて債権者に責任がない場合(債権者が債務者の民事再生手続開始を知らなかったときなど)は、届出できなかった原因が消滅した後1か月以内であれば、債権届出を追加ですることができます。これを届出の追完といいます。
届出の追完が認められた場合は、その債権についてまた新たに債権調査が行われ、債権調査で債権の存在が確定すれば、あとは他の再生債権と全く同様に扱われることになります(再生計画の決議にも参加できますし、再生計画よる弁済も受けられます)。
ただし、届出の追完は、再生計画案が決議にかけられるまでしかできません。それ以後は次の(2)による救済となります。
(2)届出のない再生債権
再生計画案が決議にかけられる前に、届出できない原因が消滅しなかった場合(債権者が決議にかけられるまで再生手続の開始を知らなかったときなど)、その債権者は再生計画の決議に参加することはできませんが、債権は再生計画の一般条項に従って権利変更を受けることになります。
再生計画の一般条項というのは、「再生債権の80パーセントを免除する」とか、「免除後の債権を10年間で分割して支払う」などといった条項のことです。届出のなかった再生債権は、再生計画中に具体的な弁済額が記載されることはありませんが、他の再生債権者と同じ様に、一般条項によって算出される額の弁済を、一般条項で決められた時期に受けることができます。
(1)自認債権
債権者からの債権届がなくても、債務者が債権の存在を知っている債権は、債務者はその債権を「自認債権」として債権表に記載しなければなりません。
「自認債権」として債権表に記載された債権は、再生計画案の決議の際の議決権がありませんが、他の再生債権と同様に再生計画に記載され、他の債権と同様に弁済を受けることができます。
(2)劣後化
債務者が債権の存在を知っていたのに、「自認債権」としなかった場合、その債権は劣後化されます。
劣後化された債権は、再生計画による他の債権の弁済が完了した後に、他の債権と同率の弁済を受けることができます。弁済を受ける時期は遅くなってしまいますが、権利がなくなってしまうわけではありません。
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