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研究レポート

20 民事再生手続の開始が契約関係に与える影響(4)―リース契約

著者:弁護士 和田はる子

2012/2/28

Q

リース契約のユーザーに再生手続が開始された場合、リース契約はどうなりますか?

1 リース契約とは

 リース物件の取得費・金利等を、リース業者がリース期間中に全額回収できるようリース料総額が算定されているリース契約を、ファイナンスリース契約といいます。リース契約の多くがこのファイナンスリース契約です。
 「リース」というと、リース物件をユーザーがリース業者から借りる賃貸借契約のような感じを持つかもしれませんが、ファイナンスリース契約は、リース業者がリース物件の取得費等をユーザーに融資する、金融的な性格を持つ契約です。
 また、リース物件は、ユーザーがリース料を支払わない場合に、リース業者が契約を解除し、その物件を引き揚げて売却したりすることによって、未払リース料等を回収するための担保の意味を持つものです。

2 民事再生手続の申立てを理由とするリース契約解除の可否

 ファイナンスリース契約においては、ユーザーが再生手続の申立てをしたときに、リース業者が催告せず契約を解除することができるという特約が定められているのが一般的です。
 しかし、このような特約は、民事再生法の趣旨・目的に反することになるため無効とされており、この特約に基づく解除は許されません。
 ただし、申立前に既にリース料の滞納があった場合に、それを解除事由として契約を解除することは許されます。

3 リース料とリース物件の再生手続上の取扱い

 申立前に締結されていたリース契約のリース料は、開始決定後に弁済期が到来することになっていた分も含めて全額「再生債権」となり、再生債務者は、別除権協定(後記)を締結した場合を除いて、従来どおりリース料を随時弁済することができなくなります。
 そして、リース物件は、リース料債権を担保するための担保物件としての扱いを受けるため、リース業者は、担保権の実行として、リース物件の引揚げ・換価をすることができることになります。また、リース物件を換価しても充足されなかったリース料債権は、再生債権として権利行使されることになります。

 リース物件が再生債務者の事業活動に必要な物件であった場合は、再生債務者がリース業者と別除権協定を締結し、従前どおりリース料を支払うことによってリース物件の引揚げを猶予してもらいます。

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