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Q
当社はロボットの製造業を営んでいます。
当社の元従業員Aが、在職中に、当社のロボット製造技術に関するノウハウを、当社と同じくロボット製造業を営むB会社に開示し、B会社は、当社のロボット製造技術に関するノウハウを使用して、ロボットの製造をしています。そのため当社の受注件数が大幅に減りました。なお、Aは現在B会社の取締役に就任しています。
当社はB会社に対し、「本件ノウハウはAが不正に開示したものなので、使わないように」との警告状を出しましたが、B会社からは何の反応もありません。
不正競争防止法で営業秘密を漏らす行為が規制されているそうですが、当社はAやB会社にどのような請求ができますか。
また、Bに対しては、御社のロボット製造技術に関するノウハウ(以下「本件ノウハウ」といいます。)を使用しての製造・販売行為の差止請求ができます。
不正競争防止法では、2条1項に規定される「不正競争」行為を行ったものに対する損害賠償(第4条)や差止請求(第3条)の規定があります。
同法2条1項では「不正競争」行為として、
● | 営業秘密を保有する事業者(以下「保有者」という。)からその経営秘密を示された場合において、不正の競業その他の不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為(第7号) |
● | その営業秘密について不正開示行為(前号に規定する場合において同号に規定する目的でその営業秘密を開示する行為又は秘密を守る法律上の義務に違反してその営業秘密を開示する行為をいう。以下同じ。)であること若しくはその営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為(第8号) |
● | その取得した後にその営業秘密について不正開示行為があったこと若しくはその営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為(第9号) |
をあげています
現在B会社の取締役に就任しているAは、上記第7号に該当する行為をしたと評価できますし、B会社は、第8号に該当する行為をしたと評価できます。
仮に、B会社が本件ノウハウの開示を受けた時点で、Aの不正開示の事実を知らなかったとしても、御社から警告状が送られた後に本件ノウハウを使用した場合は、上記第9号に該当する行為をしたことになります。
したがって、御社は、本件ノウハウを使用してロボットを製造・販売しているB会社には本件ノウハウを使用しての製造・販売の差止め及びすでに製造したロボットの廃棄、設備の除却を請求でき、AとB会社の双方に対して、損害賠償請求が可能です。
参考判例: | 東京地方裁判所昭和62年3月10日判決 判例タイムズ650号203頁、 判例時報1265号103頁、金融・商事判例792号30頁 |
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