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研究レポート

13 ロボット開発・実証実験特区

著者:弁護士(日本・米国ニューヨーク州)・弁理士 南部 朋子

2005/12/13

Q

ロボット開発・実証実験特区について教えてください 。

 「ロボット開発・実証実験特区」は、「構造改革特別区域法」に基づいて認められた「構造改革特別区域」の一つです。


1 構造改革区域法について

 「構造改革特別区域法」は、ある地域を「構造改革特別区域」として設定し、その地域には特例措置(既存の規制を緩くするなど)を適用して、特定の事業を実施し又はその実施を促進することにより、経済社会の構造改革の推進や地域の活性化を図ろうとする法律です(同法第1条参照)。
 地方公共団体(都道府県、市町村など)は、「構造改革特別区域」の範囲、そこで実施する特定事業や特例措置の内容などを定めた「構造改革特別区域計画」を作成し、平成19年3月31日までに内閣総理大臣の認定を申請することができることとされています(同法第4条1項)。
 申請された「構造改革特別区域計画」が内閣総理大臣により認定されれば、その計画に沿って「構造改革特別区域(特区)」に、規制の特例措置が適用されます(法4条第10項)。

2 ロボット開発・実証実験特区について

 「ロボット開発・実証実験特区」は、福岡県、福岡市、北九州市が共同で2003年10月7日付で構造改革特別区域計画(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/031222/061.pdf)の認定申請をし、同年11月28日に認定を受けて設定された特区です。
 この計画は、ロボットの公道における実験を円滑化することを特定事業としています。
 一定のロボットの実用化のためには、公道においてロボットを稼動させて実験を行うことにより、ロボットのハード又はソフト面における課題を検証する必要性があるといわれていますが、ロボットの公道における実験については、道路交通法上の問題( Q5ロボットを公道で走行させることについての、道路交通法上の問題 参照)があるため、実験がスムーズに行えないという不都合が指摘されていました。
 前記計画は、かかる不都合を解消するため、「ロボット開発・実証実験特区」内の公道においてロボットの歩行又は移動を伴う実験を行う者が、当該特区内において、特例措置の適用により道路使用許可を受けることができるようにしたものです。

3 ロボット特区における特例措置の適用について

 特区において講じることとされた規制の具体的な特例措置については、構造改革特別区域推進本部が決定します。

   構造改革特別区域推進本部:構造改革特別区域法に基づき、構造改革の推進等に必要な施策を集中的かつ一体的に実施するため、内閣に設置された組織

ロボット特区については、「ロボット公道実験円滑化事業」という特例措置が講じられることになりました(特例措置番号103)。その内容は、特区内の道路においてロボットの歩行又は移動を伴う実証実験が道路交通法第77条1項の許可対象行為であることを明確化するため、道路交通法第77条1項4号に基づく都道府県公安委員会規則の改正を行うよう、都道府県警察に対し通達を発出する、というものです。

   特区において講じることとした規制の特例措置の内容、関係行政機関の長の同意の要件、規制の特例措置に伴い必要となる手続等は「閣議決定後の構造改革特別区域基本方針別表1」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kettei/051202/051202betu1.pdf)に記載されています。


4 ロボットの公道実験円滑化事業の他の特区への適用

 上記の「ロボット公道実験円滑化事業」という特例措置は、ロボットの関連する他の構造改革特別区域計画にも追加されることとなりました。

「ロボット公道実験円滑化事業」が追加された計画:

神奈川県、川崎市が計画作成主体となった「国際環境特区」
● 神奈川県・川崎市の構造改革特別区域計画の変更の認定申請書
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/031222/107hen.pdf
● 神奈川県・川崎市の構造改革特別区域計画書(変更後のもの)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/031222/107toke.pdf
岐阜県が計画作成主体となった「スイートバレー・情場形成特区」
● 岐阜県・富加町・岩村町の構造改革特別区域計画の変更の認定申請書
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/040621/dai5/76hen.pdf
● 岐阜県の構造改革特別区域計画書(変更後のもの)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/040621/dai5/76toke.pdf
京都府・大阪府・奈良県が計画作成主体となった「けいはんな学研都市知的特区」
● 京都府・大阪府・奈良県の構造改革特別区域計画書(変更後のもの)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/050719/dai8/61toke.pdf
● 京都府・大阪府・奈良県の構造改革特別区域計画書新旧対照表
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/050719/dai8/61tai.pdf


 上記特例措置を受けて、福岡県では、福岡県道路交通法施行細則(昭和47年04月01日 公安委員会規則第7号)が、神奈川県では、神奈川県道路交通法施行規則(昭和44年2月18日公安委員会規則1号)が、岐阜県では、岐阜県道路交通法施行規則(昭和35年12月14日公安委員会規則13号)が、奈良県では、奈良県道路交通法施行細則(昭和48年12月20日 公安委員会規則第14号)が改正され、下記のとおり、ロボットの実証実験が道路交通法第77条1項4号の道路使用許可対象であることが明らかにされました。
 大阪府、京都府については、平成17年12月現在、未だ上記特例措置に対応する形で道路交通法施行規則が改正されていないようです。

福岡県道路交通法施行細則(抄)
(道路の使用の許可)
第22条 法第77条第1項第4号に規定する警察署長の許可を受けなければならない行為は、つぎの各号に掲げるもの(公職選挙法に基づく選挙運動又は政治活動として行われる第2号から第5号まで、第7号及び第8号の行為を除く。)とする。
1号~8号略
(9)道路においてロボットの移動を伴う実証実験をすること。

神奈川県道路交通法施行規則(抄)
(道路使用の許可事項)
第17条 法第77条第1項第4号の規定により公安委員会が定める事項は、次に掲げるとおりとする。ただし、第4号から第6号まで及び第9号に掲げる行為にあつては、公職選挙法に基づく選挙運動又は政治活動を除く。
(1号~7号略)
(8)道路において、ロボットの歩行又は移動を伴う実証実験を行うこと。
 以下略

岐阜県道路交通法施行規則(抄)
(道路の使用の許可)
第十四条 法第七十七条第一項第四号の規定により警察署長の許可を受けなければならない行為は、次の各号に掲げるもの(第四号、第五号及び第七号に掲げる行為にあつては、公職選挙法の規定によりすることができる選挙運動のためにするもの又は選挙運動期間中における政治活動として行われるものを除く。)とする。
(一~七号略)
八 道路において、ロボットの移動を伴う実証実験をすること。

奈良県道路交通法施行細則(抄)
(道路の使用の許可)
第20条 法第77条第1項第4号の規定により署長の許可を受けなければならないものとして定める行為は、次の各号に掲げるものとする。
(1号~10号略)
(11)道路において、ロボットの移動を伴う実証実験をすること。

5 ロボット公道実験円滑化事業の全国展開

 構造改革特別区域推進本部は、特区において講じられた規則の特例措置につき、毎年度その実施状況について評価を行うこととされ、本部により地域を限定することなく全国において実施するものと評価・決定された特例措置及び規制所管省庁が自ら全国展開するとした特例措置については、実施時期、全国展開の実施内容を明示して、別表2
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kettei/051202/051202betu2.pdf として決定し、すみやかに必要な法令等の改正等を行うものとされています(構造改革特別区域基本方針
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kettei/050225/050225kihon.html 参照)。
 ロボット公道実験円滑化事業については、平成17年中に全国展開されることとなりました(上記別表2参照)。
 なお、構造改革特別区域計画に基づいて実施された規制の特例措置の実施状況については、総務省行政評価局「規制の特例措置の実施状況に関する調査」に記載があります。ロボット公道実験円滑化事業特例措置の状況については、平成16年12月総務省行政評価局「規制の特例措置の実施状況に関する調査-平成16年度下半期-(構造改革特別区域推進本部評価委員会依頼調査)結果報告書
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kouzou2/hyouka/dai9/9sankou3.pdf をご参照ください。

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