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研究レポート

24 遺言の方式の準拠法

2010/3/1

Q

 私(X国籍)は、日本で長年生活してきましたが、健康なうちに妻や子供達に遺言を残しておきたいと思っています。遺言をするには、一定の方式(書面によらなければならないかどうか・証人が立ち会っていなければならないかどうか等)が必要とされるといいますが、どこの国の定める方式を満たしていればよいのでしょうか。

日本、X国の法が定める遺言の方式のうち、「いずれか」を満たしていれば、方式に関して有効となります。

 国際的な要素を含む遺言の方式の有効性については、「遺言の方式の準拠法に関する法律」2条が、
どこの国の定める方式を満たしていればよいかを定めています。
「遺言の方式の準拠法に関する法律」2条によれば、以下に定める国の法の「いずれか」に該当するときは、方式に関し有効としています。
  1 行為地法
  2 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時国籍を有した国の法
  3 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時住所を有した国の法
  4 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時常居所を有した地の法
  5 不動産に関する遺言について、その不動産の所在地法

 本設例においては、X国法は上記2に該当し、日本法は上記3に該当しますので、少なくとも日本法、X国法いずれかの定める遺言の方式を満たしていれば、方式に関して有効となります。
 また、具体的な事情によっては、日本法・X国法以外の国の法も拠るべき法となることが考えられます。例えば、Y国にある不動産に関する遺言の場合のY国法(上記5のケース)や、Z国で遺言をした場合のZ国法(上記1のケース)です。
 ただし、以上の説明は日本において遺言の方式が有効と認められるかどうかの話であって、他国(例えばX国)において有効と認められるとは限りませんので、注意が必要です。

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