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研究レポート

15 団体交渉を行う時間、場所について

著者:弁護士法人リバーシティ法律事務所

2010/12/7

Q

 私は、××社の代表取締役です。当社の従業員が加入した社外の労働組合から、団体交渉の場所を当社の会議室、時間を就業時間中とする団体交渉の申し入れがありました。労働組合の言い分どおりの時間、場所で団体交渉をしなければならないのでしょうか。。

 労働組合と話し合って、時間、場所を決めればよく、労働組合の指定してきた時間、場所で行う義務はありません。

 労働組合と団体交渉を行う場合の時間と場所は、労働組合との話し合いで決定すべき事柄です。したがって、労働組合が一方的に時間と場所を指定してきたとしても、会社の都合をきちんと説明して、改めて時間と場所を設定すればよいのです。
ただし、それまでに何度も団体交渉を行ってきていて、時間や場所が大体決まっているという場合には、団体交渉についての慣行が成立しており、一方的に変更することはできないという場合があります。

 なお、労働組合が会社内での団体交渉を要求し、その根拠として四条畷カントリー倶楽部事件(大阪地裁昭和62年11月30日判決)を挙げてくる場合があります。
 この裁判例は、

 「団体交渉の場所は、本来労使双方の合意によって定められるべきであり、一般には労働者の就業場所で行うのが団結権維持の観点から適当であると解せられるが、合意の整わない場合において使用者が一方的に就業場所以外の場所を指定したとしても、そのことに合理的な理由があり、かつ、当該指定場所で団体交渉をすることが労働者に格別の不利益をもたらさないときには、使用者がその場所以外での団体交渉に応じないとすることをもって不当労働行為にあたると解すべきではない。」

と判断しており、合理的な理由があり、労働者に格別の不利益をもたらさないときには、使用者は一方的に就業場所以外の場所を団体交渉の場所として指定することができるとしたものであり、就業場所(つまり社内)で団体交渉を行うべきと判断したものではありません。

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