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Q
残業代の問題に対応するため、雇用契約書に「時間外、深夜業、休日の割増賃金は支払わない。」と定め、同意した者だけを採用するようにしようと考えています。この場合、割増賃金を支払わなくても大丈夫ですか。
労働基準法第37条第1項は、法定労働時間を超えて労働時間を延長し、または法定休日に労働させた場合、同条第4項は午後10時から午前5時まで(午後11時から午前6時までの場合もあります)に労働させた場合、それぞれ割増賃金を支払わなければならない、と定めています。
労働者と使用者が、事前にこれらの割増賃金を支払わないという合意をしていても、その合意は労働基準法第37条第1項及び第4項に違反するため、労働基準法第13条によって無効となり、法定労働時間外については2割5分、法定休日労働については3割5分、深夜業については2割5分の割増賃金を支払わなければなりません。
なお、一旦発生した割増賃金について、労働者が放棄したり、使用者が労働者に対する債権との相殺に同意したりした場合ですが、最高裁判所の判決(最高裁昭和48年1月19日第二小法廷判決 民集27巻1号27頁、最高裁平成2年11月26日第二小法廷判決 民集44巻8号1085頁)によれば、これらの労働者の意思表示が労働者の自由な意思に基づくものであること、労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することの2つの要件を満たしていない限り、すでに発生している賃金を支払わないのは賃金全額払いの原則(労働基準法第24条第1項本文)に違反することになります。
労働者が放棄したからとか、相殺に同意したからと安易に賃金の一部を不支給にすると、後に問題になる可能性がありますので、十分な注意が必要です。
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