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研究レポート

38 履歴書の賞罰欄にいう「罰」はどのようなものをいうのですか。

著者:弁護士法人リバーシティ法律事務所

2015/1/19

Q

履歴書の賞罰欄にいう「罰」はどのようなものをいうのですか。

「一般的には確定した有罪判決をいう」とした裁判例(東京高等裁判所平成3年2月20日判決)があります。

 一方、禁固以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したとき、罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したときは、刑の言渡しは効力を失います(刑法第34条の2第1項)。

 「刑の消滅した前科といえどもその存在が労働力の評価に重大な影響を及ぼさざるを得ないといった特段の事情のない限り、労働者は使用者に対し既に刑の消滅をきたしている前科まで告知すべき信義則上の義務を負担するものではないと解するのが相当であり、使用者もこのような場合において、消滅した前科の不告知自体を理由に労働者を解雇することはできないというべきである」とした裁判例(仙台地方裁判所昭和60年9月19日判決)があります。

 また、「少年法第1条に定める同法の目的、後記少年法第11条第1項第61条の趣旨を加味しつつ考えると、社会通念上履歴書の賞罰欄に少年時代の非行歴まで記載すべき義務があるものと解することはできない。」とする裁判例(福岡地方裁判所昭和49年8月15日判決)もあります。

 したがって、賞罰欄に記載されていない前科、非行歴が判明したとしても、直ちに解雇等ができるとは限りませんので、慎重な対応が必要です。

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