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研究レポート

67 婚姻費用と住宅ローン

著者:弁護士法人リバーシティ法律事務所

2017/2/17

Q

別居中の妻から、婚姻費用の支払いを求められています。妻は、私が住宅ローンを支払っている自宅に住んでいるのですが、この点は考慮されないのでしょうか?

 「Q39 婚姻費用の分担はどのように決められるか?」のとおり、婚姻費用分担金の計算には、いわゆる算定表が用いられています。
 この算定表のベースとなった計算式では、夫と妻、双方が、一定の住宅関係費を負担していることが前提にされていますので、設問のように、夫が妻の居住する自宅の住宅ローンを負担し、妻が住居についてなんらの負担をしていない場合には、算定表によって計算された金額が修正される余地があります。
その修正の方法にはさまざまなものがあり、現状、画一的な基準は存在していませんが、裁判所の判断の枠組みとして、➀算定表の計算結果から一定額を控除する方式(東京家庭裁判所平成22年11月24日審判、東京家庭裁判所平成27年6月17日審判、東京家庭裁判所平成27年8月13日審判)➁夫の収入から一定額を控除し、減額された収入を算定表にあてはめる方式(千葉家庭裁判所平成24年6月26日審判)のふたつに大別されるようです。
 設問の事案でも、別居の原因や、妻の就労状況等の具体的な事情を元に、夫の住宅ローンの負担を考慮するか、考慮するとしていくら減額するかということが判断されることになります。

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